成人の日に日本の年金制度は破綻してしまうのかを考えてみた

今日は成人の日です。新成人の皆さん「おめでとうございます」と思うと同時に、私の老後を支えてくれる若者達の前途が明るいものであって欲しいと願うばかりです。ということで、心配事のひとつである年綻問題について考えてみようかなと思いました。

年金を支払う原資はどうなっているんだろう?

給付される年金は何から支払われているかを見てみましょう。下の図は厚生労働省の年金制度12のキーワード( https://www.mhlw.go.jp/korosho_kyozai/12keywords/index.html#keywords-03 )から転載したものです。

これを見てわかるように大部分が私たちが支払う保険料で概ね70~80%を占めているようです。残りは税金(国庫負担)が充てられています。もう一つ積立金という項目があります。これは、過去徴収した保険料で余った分を積立てているものになります。この積立金は保険料と国庫負担分が不足した際に利用される事になっています。
日本の年金の仕組みは「賦課方式」で、現役世代から年金世代への仕送のイメージになりますが 積立金 と聞くと、積立てた保険料から年金を給付する「積立方式」のように勘違いしてしまいますよね。ややこしい。
さて、年金は保険料と税金、不足分は過去に余った保険料の積立金から賄われる事がわかりました。現在の年金の収支はどうなっているのか確認してみましょう。もう、保険料と税金では賄えず積立金を利用しているのか?逆に余っていて積立金が増えているのか?どちらでしょうか。

今の年金収支は黒字 赤字?

では令和5年度、令和4年度の厚生年金の収支を見てみます。厚生労働省のページに「厚生年金保険・国民年金の令和5年度収支決算の概要」という資料( https://www.mhlw.go.jp/content/12501000/001282090.pdf )の6ページに以下の表があります(国民年金については2ページ後に記載があります)。

赤枠の通り、令和4年度、令和5年度ともに歳入が歳出を上回り、積立金より受入れた額は0円だったようです。この2年間は黒字で積立金が増えており、良かったねという事になります。でも、最近払っている保険料増えてる気がするけど、だから黒字なんじゃないの?という気もしてきます。

保険料率は変化しているのか?

こちらも厚生労働省のサイトに掲載されています。「厚生年金、国民年金の財政 平成16年年金改正制度に基づく財政見通し等」の中の厚生年金の保険料率の推移( https://www.mhlw.go.jp/topics/nenkin/zaisei/zaisei/04/04-17-14.html )で確認できます。

保険料率は、平成16年に「100年安心プラン」として上限を18.3%に固定して徐々に引き上げられていました。だから黒字になったというわけではないようですが、上限両立に達したのに赤字じゃ100年安心はできませんから。

この先の見通しは?

保険料の上限は18.3%(厚生年金ですが)に固定して、これからの高齢化社会で年金は支払われるのでしょうか?この先の見通しが「厚生年金、国民年金の財政 厚生年金・国民年金 平成16年財政再計算結果(報告書)」の第4章249ページ「第4-9-5表 厚生年金の財政見通し」の表にあります( https://www.mhlw.go.jp/topics/nenkin/zaisei/zaisei/report/pdf/section4.pdf )。

私たち団塊jrが65歳で年金世代になる2040年迄は、年金収支は黒字の予想です。この辺り迄は働き手が多いので納得できる気がしますね。
その後は、今まで余った保険料の積立金から補填していく事になります。この積立金の現在とても順調に運用されており大きな収益をもたらしています。世界的な株高の影響もありますが、このまま運用が順調にいけば将来の年金は安心かもしれません。
表を見ていて気になったのは、今日2025年1月に成人の日を迎えた若者たちが65歳になる2070年以降の収支です。このころには我々団塊jrは100歳近くなり年金を受取っている人も少なくなる事でしょう。2070年の収支はマイナスとなっており、給付が多い状態です。どうでしょう、そのころには人口も安定してきて収支のバランスがとれるようになっているような気もします。
あとは、試算に設定されている賃金上昇率2.1%が達成できるかですね。昨年より賃金上昇が現実となってきています。今日成人の日を迎えて若者たちは、私たち団塊jrと違って毎年賃金が上昇していくそんな社会人生活を送ってほしいですね。
そんな時代なら積立金の運用も順調に推移するでしょうし、保険料も想定より多くなるかもしれません。
年金破綻をさせないためには、賃金上昇・積立金運用の成功がカギになりそうです。
若者たちの為にも団塊jrの私たちの為にも賃金と物価の好循環を実現させましょう。

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